私の10曲
知っている人は知っている。
NHKで「ミュージックポートレイト」という番組がありました。
「あなたの人生を彩る10曲」というテーマで、二人の著名人が各々の選んだ人生の10曲を上げて、語り合う・・・そういう番組。
私が特に印象深かったのは去年放送されてい満島ひかりと妻夫木聡の回で、その中で満島ひかりが坂元祐二との激熱エピソードを語っていたのが最高だった。私は坂元フリークである。坂元作品に出ている時の満島ひかりは最高すぎて最高なんて言葉じゃあとても足りない。私の敬愛する青春ゾンビさんに記事があるので、とにかく読んで。最高だから(丸投げ)
さて、私はテレビっ子だった。
小学生の頃は毎日学校から帰って来たらすぐさまテレビをつけ、フジテレビの再放送ドラマ(大体が「ショムニ」か、「人にやさしく」、はたまた「ウォーターボーイズ」だった。本当に狂ったように再放送していた。毎回律儀にちゃんと見た)を見て、その後に続くちびまる子ちゃんの再放送を見た後、NHK教育にチャンネルを変え忍たま乱太郎を見る。余裕があれば天才テレビくんまで見てた。
その後夕食となるのだけど、当時は台所にテレビが無かったので食事中にテレビを見るという習慣は我が家には無かった。
夕食が終わると丁度7時頃。
そしたらまた二階に上がりテレビをつけ、バラエティタイムが始まる。
バラエティが終わって、各局ドラマが始まる9時までの間のわずか10分くらいのCMの間で風呂に入り、上がるとまたテレビをつける。至福のドラマタイムの始まりである。どっかのOLより真剣にドラマ見てた。
一体いつ勉強してたのかさっぱり思い出せないくらい、とにかくテレビが好きな子供だった。ドラマが好きで、バラエティが好きだった。今もテレビは普通に見るけど、バラエティはもうあまり見ない。差別的表現や女性蔑視に溢れているものが多く、またそれを感じ取れるようになってからは見られなくなった。それで良かったと思う。
ドラマは今はワンシーズンに1、2本見るものがあるくらいだけど、小学生の時は映る限り各局全てのドラマを見てたので、すごいやる気と執念だったなと思う。別に、学校で翌朝女子たちと「昨日のあのドラマ見た~?」的な会話は一度もした覚えは無い。そもそもがみんなそんなドラマ見てなかった。私は自分の「見たい」という欲求のみに従い、ひたすら毎日テレビを見てた。それで特に親にも怒られなかったし、チャンネル権も私にあった。父親が野球を見る人だったけどテレビは家に3台あり奪い合いになる事も無かったので、良かった。
民放のバラエティが無理になった最近はよくNHKを見る。
私が毎週欠かさず見ているものは「バリバラ」「サラメシ」「グレーテルのかまど」の3本。あと映画がやってたら見るくらい。
ミュージックポートレイトも好きな番組だった。今はもう放送されていないけど、何度も「〇〇シーズン」と銘打っては蘇って来た番組なので、またいつか新シーズンとして帰って来るのだと思う。NHKは改変が多く、よくそういう事をする。
ミュージックポートレイトを見ている時、人の選曲を聞きながら同時に「私の10曲」をぼんやり考える事があった。「私だったら、どの10曲か」という。
どうにかこうにか選び抜いたその10曲を書いとこうと思ったので、綴っておく。
クソ長いよ。
1曲目 松本梨香「めざせポケモンマスター」(夢のはじまり)
はい、みんな知ってますね。
私はポケモンは金銀世代(多分)を自称しております。アニメも見ておりましたとも~~~!(ルビサファ編まで)
初代のポケモンOPソングであるこの曲。ノスタルジーで死にたくなるこの曲。サトシの「なりたいな、ならなくちゃ、絶対なってやる~!」という絶叫に勇気をもらっていた人がどれだけ居る事でしょう。最高だよね。
私にも夢がありました。人生の厳しさに打ちひしがれ、その夢が「もう叶わないかも・・・」と塞ぎ込んでいる時、よく頭の中に響いてきたのがサトシの叫ぶそのフレーズでした。「ならなくちゃ」、からの「絶対なってやる」です。勇気、湧くしかなくない?最高。夢を目指す人すべてに聴いて欲しい。
2曲目 iwish「明日への扉」(自分の声を好きになれた曲)
今は無き「あいのり」のテーマ曲であったこの曲。私はあいのりも好きで毎週見てた。
私事ですが、私は地声が大変に低く、こもっていて活舌も悪い。
子供の頃、自分の声が長らくの間コンプレックスだった(小学生の時の3大コンプ・声が低い、字が汚い、肥満)
初めてこの曲を歌ったのは12歳の時(2003年)不思議と自分の声がめちゃくちゃ良く聞こえて来て、歌っていて大変気持ちの良い曲だった。
「自分の声に合っている」直観的にそう感じられた。
それ以来この曲は私の十八番で、お守りのような存在だ。この曲を歌うと、不思議と気分が晴れ、自分の声を好きだと思える大切な一曲。今でも大好きな歌です。
3曲目 くず「全てが僕の力になる!」(初めて泣いた曲)
こちらも同じくフジテレビでかつて放送されていた番組から生まれた曲。
テレビで聞いてて「良い曲だな~~~」と思ってCD買って、帰って歌詞カード見ながらじっくり聞いてたら泣いてました。中1の時の話。
それまでどれだけ感動的な歌を聞いても泣く事って無かったんだけど、この曲はなんか駄目だった・・・ぐっさんの声の力強さよ・・・。
人生に起こる全ての事を「全てが僕の力になる!」と言い切ってくれる名曲。
本当にいい曲なので聞いてみてね。元気が出ます。
4曲目 yellow generation「扉の向こうへ」(人生を鼓舞する一曲)
死んじゃう(一言)
・・・アニメ(最初の方のやつ)「鋼の錬金術師」のEDテーマだったこの曲。
ハガレンには中学の時に狂ってて、私はロイエドが最愛でした・・・どうでもいいね!
このEDのエドがほんと綺麗でさ~・・・大好きだった。今回貼り付ける為に久々に見たら案の定死にたくなりました。15歳になった時、「これでエドと同い年だ~~~!」って浮かれてた日々が遠すぎて・・・青春。。。
この曲は歌詞が本当に力強くて、最初聞いた時には強い衝撃がありました。
中学の時、よく夜中風呂入ってる時に熱唱しては己で己を鼓舞していました。
「信じ続けるだけが答えじゃない」「もがき続けなければ始まらない」「突き破れ扉の向こうへ」・・・全てが、当時の自分を奮い立たせてくれる言葉でした。
本当に歌詞が最高なので貼っときます。悩める10代!ぜひ聴いて欲しい。
扉の向こうへ YeLLOW Generation - 歌詞タイム
5曲目 リリィ・シュシュ「飛べない翼」(14の歌)
私のもっとも愛する映画、「リリィ・シュシュのすべて」に登場する架空の歌姫・リリィ・シュシュによる劇中歌。
私はあの映画をドンピシャの14歳の時に見てしまったので、そりゃもうえげつないくらい影響受けたもんで・・・(笑)
実際、劇中の蓮見みたいにリリィのCDの入ったCDプレイヤー持ってイヤホンで聞きながらその辺の田舎道をウロウロしてた・・・あの映画の舞台の風景は、本当に地元の町とそっくりで私はそこにもひりつくような共感を覚えながら見ていた。本当に特別な映画。
14歳の頃、よくこの曲を泣きながら歌ってました。トイレとか、風呂とか、夜中の誰も居ない駐車場で。
「機嫌直して生きよう」自分に言い聞かせるよう歌ってました。
私は14歳の時が一番ピークで死にたかったんですけど、己を生かす為に歌っていた、そういう歌です。特別な一曲。
6曲目 RADWIMPS「愛し(かなし)」(彼女と私のうた)
昨年、「前前前世」で一躍脚光を浴びた(?)RADさん。私と彼等との出会いは2008年。高2の時でした。以下自分語り。
私には小学生の時から一方的に妬みを抱いていた一人の女生徒が居ました。彼女は明るく元気で、誰からも好かれる優等生であり、人の痛みの分かる人でした。私が欲しくて、でも手に入らないものを彼女は生まれながらにして全部持っていた。小学校は人数が少なくずっと同じクラスが続いたので、私は結局6年間ずっと嫉妬を抱えたまま卒業し、中学に入った後はクラスがバラけて、私はその後不登校になり、今に至るまで一度も再会した事はありません(私が徹底的に避けてる)
彼女の事を思い出すのは決まってなにか出来ない事や不都合な事にぶち当たって人生に挫折している時で、そういう時に「あぁなりたかった」「あんな風でありたかった」「あの人生が欲しかった」と思い出すのが彼女の存在でした。
もう何年も会ってないにも関わらず、私はずっと彼女がうらやましいままだったし、「あぁなりたかった」のに「あぁなれなかった」苦しみはちっとも消えてくれないままだった。5年くらいずっとぐちゃぐちゃ苦しんでいた時にたまたま動画サイトで聞いたのがこの曲でした。初めて聞いたRADWIMPS。まるで啓示のようでした。
歌詞が、ほんっとに、私が彼女に対して思っていた事そのままだった。
どこまでも人に優しくあろうとする彼女に対し、「何でそうなの?」「何でそこまで正しくあれるの?」「私は違うのに」って思い続けていた、それ。
私は知らず彼女の事を神格化して考えていた。「私とは違う」という思いはどこまでも彼女を高尚なものにしていき、また、自分自身を「彼女と比べて」低く低く扱うようになっていた。だからこのフレーズを聞いた時に、はっと目が覚めるような思いがしたのだ。
君はそう きっとそう
「自分より好きな人がいる自分」が好きなの
彼女がいつだって自分より他人を優先していた理由が、ただ「自分を好きになりたいから」だとしたら。
私が何よりも自身の夢を大事にしていたのも「自分を好きになりたいから」だった。私達はその点において、同じ考えをした同じ生きものだったのだ。そう気付く事が出来た。
実際は分からない。彼女がどこまでも自分より他人を優先していた理由が、道義心や心からの善意であったとしても、そんなのはどうだって良い。
でもきっと、「そういう自分が好きだから」という部分はきっとどこかにあったはずなので、私はなんかそれが嬉しくて、嬉しくて救われてしまったのだ。
私は彼女を神様か何かかと思い込んでいた。
でも実際はただの私と同じただのひとで、私と同じように、自分の為に他があったのだという事に気が付いてから、私の心はすっと楽になれた。それは本当に救いでした。
他人の事がよく見えすぎて、嫉妬心に苦しめられているという人は、一度その対象の事を神格化しすぎてはいないかという事を考えられると、いいなぁと思います。相手も自分と同じただの人!私と同じように弱くて狡くて浅ましいところがあるのだと思えるだけの余裕が生まれたら、少しは楽になれるんじゃないかと思います。
そういう人にも、おすすめの一曲だったりします。
まぁ、この曲をそういう風に聴いているのは私だけだと思うけど(笑)ごめんね洋二郎!ほんとうに個人的な話だ。。。
7曲目 奥華子「そんな気がした」(我が人生)
私の愛するメガネさんです。まぁ私もなんですけど(ダメガネ)
この曲はなんか本当に「私の人生~~~!」って感じです。
東日本大震災が起こった時、津波の映像に精神削られる中、ただひたすらこの曲だけを聞き狂い、歌いまくってた思い出があります・・・。
奥さんと言えば失恋ソング、それも重めの曲が多いと思いますが、その中でもこれが一番重くて暗くてしんどくて、私にぴったりで大好き。
自分の声に合ってるというか、歌ってて一番しっくりくる曲でもあります。
本当に歌詞がクソ重くて最高なのでぜひ聴いてください→そんな気がした 奥華子 - 歌詞タイム
人生に寄り添ってくれる大切な一曲。
またまたRADさん。
「めざせポケモンマスター」が私の夢のはじまりの曲だとしたら、「夢番地」は私にその夢をあきらめさせてくれた曲・・・そんな気がする。初めて聞いた時はぼろっぼろ泣いた。
「夢が叶わなかった」
「何も出来なかった」
「何一つとして叶えられなかった」
悔やみ、悔やみ、地の底まで着いた時、私が聴くのは決まってこの曲です。これを聞いて、どうにかこうにか浮上を目指すのです。いつも。
「僕はきっと今いつかの夢の上に立っているんだね」
「僕はきっと今誰かの夢の上に立っている」
「僕が立っているここはきっと誰かの願ってる場所で」
「誰かが立っている場所がきっと僕の望む場所で」
「誰かがきっと今僕にとっての夢を叶えてくれている」
「僕もきっと今誰かにとっての夢を叶えている」
「僕はもう数えきれぬほどの夢を叶えているんだね」
「ごめんね これからはね ずっとずっと一緒だから」
私は夢を叶えられなかった人だ。その夢は、今からどう頑張ったところで叶いっこない。私は夢が叶わなかった人間。私が願っていたその場所には別の誰かが居て、その人はそこで私の代わりに働いている。働いて、くれて、いる。
私は引きこもりで、(一応)障害者だ。
だから私は、健常で、働いている人が羨ましく、そして妬ましいのだけれど、中には私の人生こそを羨ましい、と思う者も居るのかも知れない。
私が今家で死んだように生息している事すら誰かの希望や夢であったりするのだ。そういう事を考える。人生の不思議を思う。そういう歌です、私にとって。
9曲目 DOES「know know know」(今を生きる)
昨年解散してしまったバンド、銀魂ファンはお馴染み・どえす兄さん。
10年前、初めて「修羅」を聞いた時のあの衝撃は一生忘れない。
本当に、世界一格好良い音を生み出していた人たちでした。
どこまでもひたすらに格好良い。
私の人生の目標のひとつに「今を生きる」というものがあるのだけど、この曲はそれを鼓舞してくれるのに最適であり最強。
「永遠なんていらない」「最高の今がある」である。私もそう思えるようになりてぇ、なりてぇよ・・・(泣きながら)
10曲目 ドビュッシー「月の光」(人生の最期に聞きたい曲)
はい、ラストです。
人生の最期に聴きたい一曲。
私には「夜に、月を見ながら死にたい」という漠然とした願望があって、その時に脳内に流れていて欲しい曲ですね。月の光に見守られながらこの世を去りたい。そういう願望。静かに死にたい。
というワケで、とりあえず10曲選んでみました。
いつまで人生が続くのかは分からないけど、今の私の、これまでの25年の人生における10曲はこんな感じです。ハイ。